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日曜日の朝、俺の車で吉ちゃんと二人、ゴルフ場に到着すると、亀田社長が俺たちを待ち構えていた。練習グリーン上でいきなり、
「純一君と加納君は八十五前後でラウンドするそうじゃないか。俺と内ちゃんのオフィシャルハンディーが六だから、割のいいところ、今日はラウンド六点二人にやろうかね」
と話しかけてきた。亀田社長も内山社長も長年競技ゴルフに参加していて相当ゴルフが上手いらしい。ハンディー六と言うが、勝負事になると負けた事がないと大ちゃんから聞いていた。吉ちゃんが言った。
「亀田さん、ラウンド八点くださいよ」
「純一君、君の為を思って言っとくけど、自分の勝てそうなハンディーで握ってもゴルフは上達しないよ。自分の実力を伸ばそうと思うんだったら、授業料を払う気持ちでやらないとね」
何となく理屈が通っていそうな、いないような話だった。続いて俺が聞いた。
「それでどんなルールでやるんですか?」
「点数は一打千円で、バーディー賞が二千円、イーグル賞が三千円。まあー君たちが実力を出せば二、三千円の負けで済むから」
初めから自分が勝つと言っている。俺の闘争本能にも火がついた。
「判りました。そのルールでやりましょう」
「竜ちゃん、言っとくけど、亀田さんも内山さんも相当強いからね!」
吉ちゃんは心配してそう言った。俺は「負けても一万円ぐらいだから」と腹をくくり、ハンディーもラウンド六だけで了承した。しばらくして内山さんも現れた。
「内ちゃん、ラウンドで六点やる事にしたから」
亀田さんが内山さんにそう言った。
「それでレートは?」
「いつもどおり」
「それは負けた時にちょっと可愛そうだから、半分ぐらいのレートにしてやったら?」
「だめだめ、甘やかすとゴルフは上達しないし、競技ゴルフを目指すんだったら俺たちに挑戦してこなくっちゃ」
誰も競技ゴルフを目指すとも言ってないし、挑戦するも何も今日のゴルフだって無理やり約束をさせられたんじゃないかと思ったが、トータリークラブの先輩だし俺は不満を口に出さなかった。吉ちゃんは、「そうですよね。レートを半分にしましょうよ」と言ったが、亀田さんは妥協しなかった。内山さんは黙って聞いていた。この人は余計な事も喋らないし、俺たちに対して何となく思いやりがあるように感じられた。しかし結局は初めのレートでやる事で決まった。
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