表彰式では久保田さんは二位の賞品として電子レンジを、吉川さんはキャディーバックを貰った。俺も飛び賞として炊飯器を貰った。事務所にも炊飯器が一つほしいと思っていたところだったんで丁度良かった。全ての賞品と参加賞を配り終わると、表彰式の最後に優勝者の挨拶があった。
「本日は、メンバーにも恵まれ良い成績を収めることができました・・」
俺は優勝者の弁を聞きながら、俺たちの組には最悪の人間が一人いたなと思った。優勝候補の筆頭だったそうだが、四十一位でいい気味だ。今日のラウンドを振り返っただけでムカついた。頭の中でいろいろと今日の事を回顧しているうちに、いつの間にか挨拶も終わり、解散となった。吉川さんが、
「それじゃ、うちの店に行きましょうか」
と声をかけた。俺は久保田さんにお礼と別れを告げると、吉川さんと一緒にクラブハウスを出た。吉川さんの車の後をついて行く。四州カントリークラブから十五分も車を走らすと、川沿いにパチンコ屋さんが見えてきた。建物自体、軒高も低くてかなり古い。もう二十年ぐらいは経っているのだろうか?駐車場に車を止め、建物の周囲を一周回ってみる。構造は鉄骨造の寄棟になっていて、倉庫の建物によく見られるコストのかからない工法だ。壁面はサイディングにリシンが吹き付けてあった。近頃のパチンコ屋さんの建物は石貼りかアルポリックみたいな化粧鉄板で外壁が仕上げられている。この目の前にある昔懐かしい建物を見て誰しも改装したいと思うのは当然の事だろう。 |