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第1回 第2回 第3回 第4回
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心の宝(6) 第1回

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「そういえばさ、さっきテレビで言っていたて」
「何をさ」
「ああ、今日の午後から隣の津南町のほうでは国道の通行禁止区域ができたそうだて。だっけ、そこの人達、百九十何世帯だと思ったけどの、孤立してしまったというんだがの」
「ははあ、秋山のほうだな」
「ああ、秋山郷って言ってた。何でも長野との県境のほうだそうだて」
「向こうのほうは、もう四メートル近くも積ってるって言うからね。国道の除雪がまにあわないんかな」
「いや、それもあるかも知らんけどさ、雪崩―表層雪崩の危険のある場所が多いらしいんだて」
「ああ、雪崩か。雪崩除けを全面的に設けるわけにもいかんだろうしな」
「ウーン、このものすごい雪になると、雪崩除けなんて、あって無きが如しといったところかもしらんぞ」
「まあ、孤立したってさ、保存食がたっぷりあるだろうから、食料品の心配はあまり要らないだろうと思うけど、問題は医者と学校なんじゃないかな。急病人の発生などは困ると思うよ」
「そうだよなあ」


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心の宝(6) 第2回

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「電気はどうなってるんだろ」
「電気は大丈夫だそうよ」
「長野のほうでは自衛隊の派遣を頼んだりしているようだが…」
「いやさあ、今日俺たちが掘ったくらいも積ったらさ、これはもう、積極的に自衛隊を活用させてもらうべきだね。久恵氏の場合はさ、まあ、俺たちがまだ雪掘りすることのできる年代だったからよかったんだて。これが八十、九十といったことになってみろ。まず、雪堀りなんてことはダメなのが当たり前だもんな」
「そのことはさ、愛さんにも言われたよ」
「えっ、じゃあ、あんた、彼女に悪知恵をつけられて俺たちを指名したってわけか」
「まあね」
「どうも変だと思ったよ。この家の近くには修司や勲だっているっていうのに」
修司、勲の二人もやはりかつてのクラスメートである。
吉田さんと貞夫が軽く笑った。
「まあ、終わったんだもん、いいじゃない。さあ、あけて」
久恵は徳利を手にして膝を功治の方へむけた。
「よーし、こうなったら今日は飲むぞ」
そう言うと、功治は猪口をグイッと勢いよく呷った。

2006.1.21

この小説はこの冬(2005〜2006)の豪雪を材料として書いたものです。豪雪事情全般に目を通すことはできませんが、その一端を覗きうるのではないかと思います。