| 「電気はどうなってるんだろ」
「電気は大丈夫だそうよ」
「長野のほうでは自衛隊の派遣を頼んだりしているようだが…」
「いやさあ、今日俺たちが掘ったくらいも積ったらさ、これはもう、積極的に自衛隊を活用させてもらうべきだね。久恵氏の場合はさ、まあ、俺たちがまだ雪掘りすることのできる年代だったからよかったんだて。これが八十、九十といったことになってみろ。まず、雪堀りなんてことはダメなのが当たり前だもんな」
「そのことはさ、愛さんにも言われたよ」
「えっ、じゃあ、あんた、彼女に悪知恵をつけられて俺たちを指名したってわけか」
「まあね」
「どうも変だと思ったよ。この家の近くには修司や勲だっているっていうのに」
修司、勲の二人もやはりかつてのクラスメートである。
吉田さんと貞夫が軽く笑った。
「まあ、終わったんだもん、いいじゃない。さあ、あけて」
久恵は徳利を手にして膝を功治の方へむけた。
「よーし、こうなったら今日は飲むぞ」
そう言うと、功治は猪口をグイッと勢いよく呷った。
2006.1.21
この小説はこの冬(2005〜2006)の豪雪を材料として書いたものです。豪雪事情全般に目を通すことはできませんが、その一端を覗きうるのではないかと思います。 |