| 地区の人たちが頑張って力を合わせ、この立派な「朝顔の国」を現出してくれたのだと聞く。一輪だけポツンと咲いている朝顔の花には、むしろ寂しさを覚えることもあるとはいえ、清楚、可憐といったようなひきつけられるものがある。だが、百八十株もの多くの朝顔の群れ咲くすばらしさ、豪華さ―これはまた特別のようである。
最後には松代の「農舞台」へ回った。松代駅の「屋号」の回廊を通り過ぎていった。ただし、時間はすでに五時を回っている。横山さんは「五時半には出発しますので・・・」というわけで、農舞台見物はせいぜい20分程度とされた。トイレ休憩ぐらいの時間である。
「皆さん、これで一応、北回りコースのツアー工程は終わりです」
松代駅からいざ出発というとき、横山さんはツアー行程が無事に終了したことを確かめるかのように言い、さらに続けた。
「時間も五時半を回ってしまいましたが、最後に一箇所だけ、予定に入っていないんですけど、大変好評な作品がありますので、それを見たいと思います。幸い、帰りの途中にあります。どうでしょう、皆さんのご意見に従うことにしたいと思いますけど」
「そういういい作品があるんだったら、ちっとぐれえ遅くなってもいいじゃないか、のう、皆の衆」
「そうだな、それを見て帰らないっていう手はないな」
「横山さん、そこへ寄ってください」
すぐに帰りたいと言う人はいなかった。
「では、十日町駅へ帰るのが1時間ほど遅くなりますけど、その作品を見ることにしますから。いいですね」
「文句ないよ」 |