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昼食時には松代町総合センターの三階広間で、弁当とお茶が配布された。食後の休憩時、近くにいた女性が「池田さんではないですか?」と話しかけてきた。「そうですけど…」といって彼女の相手をしたところ、彼女は自己紹介をして、私を見覚えていた理由を話した。その話によると、彼女は私とは同じ中学の出身で、しかも同学年だとのこと。ただ、私が本校で学んだのに対して、彼女は分校にいたのだという。私が生徒会活動をしていたので見覚えていたとのことだった。多くの未知の人々の中にあっても、どこかでお互いに何らかのつながりのある人がいるものだなあという思いがして、こんなところにも団体行動に参加する楽しみがあると感じたのだった。
ほくほく線松代駅の前でバスを降りて、松代雪国農耕文化センターであるとされる、「農舞台」の方へ足を進めた。駅とセンターを結んでいる150メートルといわれる回廊の壁には、松代町の全世帯―約1470世帯―の屋号が書かれた赤、黄、緑、青、などのいろいろの色の壁版(縦1メートル、幅10センチくらい)が取り付けられて、びっしりと並んでいた。その場所を通ると、天井に用意されたスピーカーから、「よっていがねえかの」「よくござっしたの」といった、歓迎の方言が聞こえてくるのだった。はじめのうちは、それらの言葉の意味がはっきりしないで、どこかから変な声が聞こえてくるなと思っていたが、やがて声になれてその意味が分かるようになると、方言のおかしさに顔が崩れてきたことを覚えている。「農舞台」は松代地区の約60ヘクタールという広大な敷地の一部に建てられたセンターで、その内外、周辺などにも30からのアート作品の展示がなされている。屋上からは作品「棚田」も見えていた。内部では地区で取られた山菜を利用した食堂もあり、買い物もすることができ、イベントの企画もあったりして、結構魅力あふれるところになっていた。まさにこの地区の人々の芸術活動のよりどころという感じである。 |