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昨年八月二十二日、千葉県の柏市に住む妹夫婦が帰省していたので、三人で大地の芸術祭の見学に出掛けた。
「大地の芸術祭」というのは、多くの現代芸術家が創作した作品群(第三回目である今回は作品点数は329といわれる)が、信濃川の上流から中流にさしかかる・ここ越後妻有盆地の広大な地域の方々に展開されている。三年に一回というトリエンナーレ方式の非常に規模の大きい芸術祭である。
大地の芸術祭の始まりは1994年に策定された、県の地域再生事業である「ニュー新潟里創プラン」にある。妻有地域もそのプランの中に取り込まれ、一市四町一村でなるこの地域では、「越後妻有アートネックレス整備構想」の下、美術を地域再生の手段として用いることになった。
妻有地域の人口は七万人くらいといわれている。非常に高齢化が進んでいて、65歳をこえる人たちが25%以上といわれる。地元の特産であった機業も衰退し、高学歴化とともに、若者たちは学校を卒業するのを待つかのように、どんどん都会での就職を求めて出て行ってしまう。Uターンの夢を彼らに託すのは無理といった現状である。
この地は世界有数の豪雪地域であって、過疎と少子化に直面している。言うまでもなく、目の届く限り広く稲作がなされている立派な田原も見える。多くは、有名な「魚沼産コシヒカリ」の田んぼである。だが、山すその斜面を棚田にして、稲作をしなければならないような非効率的なところもある。
また、日本一の大河・信濃川がこの地域を南北に突っ切って流れている。だが、その水は多く東京方面の電力需要のために供給され、最近では流水量はきわめて少ない。川の中州が現れて点在している。それなのに、妻有地域は隣の南魚沼地域とは異なって、鉄道の幹線が通っているわけでもない。交通の点からしても、首都圏に対してまったくの過疎、置き去りにされた地域である。 |