| 「おらはこれまで、ウチの仕事にかまけていて、趣味なんてものは、金持ちの爺さん婆さんだけのもんだと思ってきたのがほんとのことだての。だけど、今のお前さんの話でよく分かったて。おらも趣味を持つことにするて。やろうじゃない、一緒に、俳句をさ」
「そうかの。やってくれますか。これはありがたい。実はさ、おら一人だけではどうしようかと思っていたとこなんさの」
「俳句を作るなんて、どうすればいいか分からんけど、ちょっとくらい難しくってもいいがの。面白そうじゃないかの」
「ああ、おらは何年も前から作ってるから、わからんとこは聞いてもらえばいいて」
二人はその四月から公民館の生涯学習・俳句コースに入会して出席するようになった。送迎はトモイの旦那が車で引き受けてくれることになったので、文子にとっては大助かりだった。俳句コースには柏木も入っていて、みんなの世話係として働いていた。
一年間が過ぎ―文子はある文集に『俳句会』という題で文章を寄せて、次のようにむすんだ。
「〜楽しい会で、今では月二回の俳句の会が私にとって生き甲斐です」
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